相続・遺言についての基本は民法の882条から1050条に規定されており条文は多岐にわたります。今回は初めて民法の相続規定をお読みになる方々のために条文理解の手助けになるような相続編に登場する法律用語について解説していきます。

①法定相続人、法定相続分

これは、相続人が死亡したときに財産を誰に包括的に承継させるのかという法律効果ことなのでこれを考えた時に法律(民法)によって決められている承継人のことである。これにはあらかじめ決められている順位がある。以下に述べていく。また死亡した本人のことは被相続人と呼ばれる。

第1番順位 配偶者、子 第2番順位 直系尊属(父、母) 第3番順位 兄弟姉妹これらが法定相続人である。また、法定相続人の順位によって決められている相続分のことを法定相続分といいます。配偶者がいる場合は必ず相続人になり、配偶者と子の場合はそれぞれ2分の1ずつとなる。次に配偶者と直系尊属の場合はそれぞれ3分の2と3分の1となっています。次に、配偶者と兄弟姉妹の場合はそれぞれ4分の3と4分の1となります。※同順位の法定相続人が複数いれば人数で等分となる。

②代襲相続

これは、被相続人の前に相続人が死亡してた場合その者の子(孫や甥姪)が相続分を引き継ぐことである。

③遺言

これは被相続人が亡くなられる前にあらかじめ相続財産の引継ぎ先を決めておくことである。またそれを書留めた物を遺言書と言い、これには基本として三種類の遺言書がある。

(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言(3)秘密証書遺言の三つが規定されている。

(1)は全文、日付、氏名を自書しなければならず、また(2)は公証役場で作成し、遺言書検索で結果が出るようになる。反対に(3)は公証役場で作成しますが証書を封して印章をもって封印しなければいけないというそれぞれ法定された方式があるのです。

④遺言執行者

これは遺言書に書かれていたことを執行する仕事をする人のことである。最近では職務が法定化され遺言内容を各相続人に通知し、各種相続手続きを行うことになる。

⑤遺留分

これは兄弟姉妹以外の相続人が相続手続きにおいて最低限の相続財産を請求できる権利のことである。

使う場面の具体例としては遺言によって他人に財産が遺贈されたとき残された家族の生活が脅かされる場合などで請求することができる。直系尊属が相続分の三分の一、子や配偶者が相続分の二分の一を請求することができる。

⑥配偶者居住権

これは被相続人の配偶者が相続開始の時に被相続人の家に居住していたとき遺言書に記載されていれば配偶者は終身または長期間住み続けられる権利のことである。

⑦遺贈

これは遺言で法定相続人以外に財産が分けられることを言います。またその分けられた者を受遺者と呼ぶ。

⑧寄与分、特別寄与料

これは共同相続人が被相続人の財産を増加させたり維持させたときにその増加分を相続分にプラスして請求することができる権利である。反対に相続人でない者(例えば、相続人の配偶者)で被相続人の財産を増加させたり維持させたりしたときに請求することができる金銭を特別寄与料と言います。

以上押さえておきたい用語集でした。記事のことや相続・遺言で何か気になることがございましたらご気軽にご相談ください。